テスターとして約1年間働いた結果
はじめに
久々の投稿です。
タイトルにある通り、約1年間はテスターとして働いていました。
ネットで
「SESはテスターなどのスキルが身につかない案件に入れられ続けて使い捨てられる」
みたいな話を目にしたことがあったので、
「テスターって実際どんな感じなんだろうな」
という怖いもの見たさみたいな興味はあったので、ある意味いい経験が出来たかなと今は思っています。
(という感情になったのも、次の参画先では開発の仕事もさせてもらえそうだからです。それが決まるまでは本当に地獄でした)
そんなわけで、この記事では
- テスターの仕事ってどんなもの?
- テスターは本当にスキルが身につかないの?
- 何が辛かった?
- テスターに配属された人へのアドバイス
などについて、実体験から書いていきたいと思います。
自己紹介
塾業界で働くことに疲れ、独学でプログラミングを半年間学び、プログラマーとしてSESの会社に転職しました。
最初の現場では開発の仕事を任され、業務のメインがプログラミングでしたが、そのプロジェクトが終了し、次に配属された現場がテスターの業務のみの現場でした。
1.テスターの仕事ってどんなもの?
テストの段階にもよりますが、例えば「単体テスト」と呼ばれるようなものは、おそらく開発の現場でもやったりします。(僕の経験上ですが)
ある関数を作成し、その関数に対してAという引数を渡したら、ちゃんとBになって返ってくるよね、というようなものが単体テストです。
今回僕が配属になったのは、結合テストや総合テストと呼ばれるものを行う現場でした。
単体テストの場合、実際にソースを見ることも出来たりするのですが、僕の現場では全くソースを目にすることなく、ただ画面を操作して、動きをスクリーンショットで撮っていく、というものでした。
おそらく大部分のテスターがこういう業務をやっているのだと思います。
テストを行う手順はテスト仕様書として準備されたものがあり、その通りに操作します。
その操作をしている過程と結果をすべてエビデンスとしてスクリーンショットを撮り、期待通りの結果になっているのかを確認していくのがメインになります。(仮に不具合が見つかっても、それを報告するだけです。自分でデバッグしたりは出来ません)
あとは同じ現場の他の人がテストした内容を他の人がチェックする、という業務もあります。
というか、これがすべてです。
2.テスターは本当にスキルが身につかないの?
業務内容だけをやっていると、本当に身につかないと思います。
ただ任されたタスクをこなすだけであれば、せいぜいExcelのショートカットに少し慣れるとか、その程度の成長しか無いと思います。
僕の場合、最初の現場が開発の案件で、短期間であまりにも色々なことが学べた経験があるだけに、
「この仕事をやるだけだと時間が無駄になる」
と思い、
・Excelマクロ作成
・PowerShellを用いたツール作成
・batファイル作成
・その他業務で使用するツールの使い方を改めてググって勉強
というようなことを自主的にやりました。
これをやっていなければ、逆に頭がおかしくなってたんじゃないかというくらい、良い息抜きになりました。
仕事量が少ないわけでは無かったのですが、Excelマクロを作るのは元々ある程度のスキルが身についていたのでそれを活用して業務効率化を行い、時間を作りました。
その空いた時間でまずは実務で使えるツールの作成に取り組み、「もう思いつかないな」と思ってからは基本自分のための勉強に充てていました。
その時間があったからこそ、テスターの現場でも出来ることを増やせましたが、正直開発の現場であれば1ヶ月で身につくくらいの内容を1年かけて身につけてしまった、くらいのスピード感です。
3.何が辛かった?
一番辛かったのは、「いつまで同じことをやり続けるのか」という考えが常に頭をめぐり続けることでした。
最初こそやるべき操作やルールを覚えながらだったので多少頭を使っていましたが、慣れてくると大して頭を使って考える必要も無くなります。
本当に「ただの作業員」として仕事をしている感がすごくて、「こんなこと誰でも出来るんじゃないか」「ずっと続くから達成感もなにもない」「頑張ったら後の仕事が楽になるとかそんなこともない」などなど、とことんやる気を維持するのが難しい仕事内容でした。
先述した通り、最初の現場では色々なことが学べました。ベテランのエンジニアさんから色々アドバイスをいただくことも出来ましたし、そのアドバイスを直にコードとしても見せてもらえたりして。
そういう状況からは一転し、プログラマーとして、エンジニアとして働いてきたらしい先輩と一緒に働いてはいるものの、Excelの関数の使い方は間違えるわ、仕事は遅いわ、コミュニケーションが苦手だわ、…
というような感じだったので、「何かを教わろう」という意欲も起こりませんでした。
そんな余裕のある人もいませんでしたし。
そういう意味で、「この人から色々学ばせてもらおう!」という人がいなかったのも辛かった点ですね。
4.テスターに配属された人へのアドバイス
かなりネガティブなことをたくさん書きましたが、仕事内容自体はあまり頭を使わずに済むので、考えるエネルギーは温存できると思います。
その温存したエネルギーと、仕事効率化の工夫で捻出した時間を使って、自己学習の時間を作り、腐らないように努めるのが一番だと思います。
今は多少落ち着いてきているようですが、やはりコロナの影響で実務未経験者や、経験の浅い人が入れる現場はまだ多くはないようです。(地域にもよると思いますが)
そういった状況があるので、特にSESで働く人は、案件が他に無さそうなのであれば、テスターの現場で出来る限りの自己学習をしつつ、開発の案件を探してもらうのが一番かなぁと思います。
一番良くないのは、「楽な仕事だからとりあえず任されたことだけやって楽して過ごそう」という考えだと思います。
少なくとも僕が入った現場は、業務をこなす上では何の成長もありませんでした。
ただ実務経験を1年間近く積んだというだけで「何も出来るようになってない」となれば、仮に開発の案件が見つかったとしても、「スキル不足」として落とされます。(自己学習でこういうことをやっていました、とアピールしても落とされる可能性は充分ありますし、実際落とされたところもあります)
最後に
テスターとして働いた期間、ずっと「プログラミングがしたい」と思い続けてきました。
だからこそ副業の依頼(Excelマクロ作成)がものすごく楽しかったですし、良い気分転換になりました。
プログラミングに対してのモチベーションは上がり、
「スキルを身に付けず、のうのうと過ごしていたらこういう現場にしか入れない」
ということを身をもって体感出来たので、悪いことばかりでは無かったなと思います。
まとまりがありませんが、少しでも誰かの参考になれば幸いです。