未経験プログラマーの雑記

元個別指導塾運営者、現プログラマーによるブログです。教育や自身の学びについて発信していきます。

コミュニケーション能力が低い人と働くときに試してほしい工夫5つ

□はじめに

一昨日、僕はこんな記事を書きました。

 

bottea.hatenablog.com

 

内容としては、「コミュニケーション能力が無い人が具体的にどんな特徴を持っているのか」というものでしたが、予想以上にたくさんの方から共感の声をいただき、「あ、やっぱり他の現場でも似たようなものなんだな」と自分の考えがズレているわけじゃないことに安心しつつ、「これ、放っておくとまずいんじゃないか?」と不安にもなりました。

 

僕は学生から塾講師として働き、新卒からは塾のスタッフとして、うち3年間は教室責任者としても働いていました。そのため、人の教育にはすごく興味があります。

その延長として、塾で働いていたときには「うちの生徒たちは社会に出てからしっかり生きていけるだろうか」という心配も、大真面目にしていました。

 

僕は個別指導塾で働いていたんですが、個別指導塾の生徒って、前回の記事で挙げたような特徴を持ってる生徒がめちゃくちゃ多かったんですね。

だから個人的には、そういうタイプの人が排斥されるような流れは作りたくなくて、むしろそういう人たちが少しでも悪いところを自覚して、改善していってもらえればという気持ちで前回の記事を書きました。

 

前回の記事では「コミュニケーション能力の低い、切られる側の立場」の特徴を挙げましたが、今回は逆に、そういった特徴を持つ人たちと一緒に働く人がやった方が良いと思う工夫について、紹介していきたいと思います。

 

工夫1.Yes,Noで答えられる質問は「客観的事実を確認したい時」に限定する

例えば、「理解しているか」や「大丈夫か」は、そもそも抽象的かつ主観的で、客観的に100%理解している、100%大丈夫、という状態はありえないと言えます。なので、そういったことを確認したい場合は、Yes,Noで答えられる質問をしてはいけません。

 

もしYes,Noで答えられる質問をしても、相手は「楽な選択肢」しか選びません。

上司やリーダーから

「これ、わかる?」

と聞かれて、

「はい、分かります。大丈夫です」

という感じに。ここで「分かりません」と言える人はかなり少数派です。

これは何も嘘をつこうとしているわけではなく、

「ネガティブな意見を言うのは良くない」

「もう少し時間をかければ分かるはず」

「分からないと答えたら怒られるかも」

とか、色んなことをその人なりに考えている結果なんですよね。

 

結果、とりあえずその場は「Yes」と言っておく方が楽なので、「Yes」と答えてしまうんです。

そして、一度「分かる」「大丈夫」と言った人はその言葉を取り消すのが怖く、言い出しにくくなるというパターンに陥ります。そうした流れを回避するためにも、注意しましょう。

 

逆に、

「あのタスク、もう終わってる?」

という質問であれば、

「終わっているかどうか」

という単なる事実の確認なので、問題ありません。

 

工夫2.状況を把握したいときは説明させる

「Yes」か「No」で答えさせるのは「客観的事実」と書きました。

それ以外の内容を知りたい場合は、「説明させる」のが良いです。

例えば相手に、A~Gという一連の仕事内容を伝えたとします。

「Bの時に注意すべきこと、なんだっけ?」

「Cの次はどうしたら良い?」

「○○をするのはどの手順?」

というように、自分が説明した内容についての説明を相手に求めることで、相手がどの程度理解しているのかが分かります。

これを毎回やるのは面倒ですが、こうしたやり取りを何度かするうちに、

「この人は伝えれば理解出来るタイプだな」

「この人は少し不安だから注意しておかないとな」

というのが分かるようになります。

 

この工夫を実践する際に大事なのは、「相手の理解度をこちらが確認するための手段」であり、「相手の粗探しをして叱るためのものではない」ということです。

どうしても間違った回答をした相手には小言を言ってしまいそうになりますが、こちらの問いかけに対して答えた相手を叱れば、そのうち相手は「答えたらまた叱られる」と萎縮してしまいます。

 

コミュニケーションを取る上で「関係性」は非常に重要で、一度悪い関係になってしまうと修復はかなり難しいです。

コミュニケーション能力自体はお互いに高いのに、関係が悪いせいでスムーズに進まないことはよくあります。

 

コミュニケーションをうまく取るための工夫で関係性を悪化させてしまっては本末転倒なので、相手が答えたら合っていても間違っていてもOK。間違っていたら

「なるほど、ここがちゃんと伝えられていなかったか!教えてくれてありがとう!」

くらいのノリで、その後訂正しましょう。

 

工夫3.積極的に確認する・質問のハードルを下げる

よく「分からないことがあったらいつでも聞いてね」と言う人がいますが、コミュニケーションが苦手なタイプはこの発言でものすごく困ります。

そう言ってくれる上司やリーダーも自分の仕事で忙しそうにしているため、実際には「いつでも」というわけにはいかない。

また、自分が「分からないこと」が何なのかも分からない。何となく不安だし間違っている気がするけど、どこが間違っているのかが分からない。そんな状態で忙しそうな上司の時間を奪うのは…と思っているうちに、どんどん時間が過ぎてフォロー出来ない状態になってしまいます。

 

まず「いつでも聞いてね!」だけでなく、「いつでも聞いて良いよ!忙しい時はちゃんと断るから!」と一言付け加えるのが有効です。

当たり前のことではあるのですが、ちゃんと明言しておくことで、「忙しいかどうかは相手が判断してくれるからあまり気にしなくて良いんだ」と思わせることが出来、質問の心理的ハードルが下がります。

予め言っているので、断られたとしても「あ、今は忙しいんだな」で済みます。

 

また、自分から質問や相談をするのが苦手なタイプには、積極的にこちらから確認する時間を作っておくのが理想です。

事実確認なら「Yes,No」、それ以外なら「説明させる」方法で、こまめに確認しましょう。

もしそうした時間をこまめに作るのが難しいのであれば、時間を設定して、どのタスクがどの程度終わっているのか、簡単にチャット等で報告するような流れを作っても良いかもしれませんね。

確認の手順が増えすぎるとそれも負担に繋がるので、出来るだけシンプルな内容にしましょう。

 

 

工夫4.口頭での報告を極力減らす

コミュニケーションが苦手な人の中には、頭で考えた内容を口に出すのが苦手な人もかなり多いです。

突発的に口頭で質問されてすぐに返事が出来ず、正しくない回答をしてしまうことも多いので、チャットやメールなど、出来るだけ口頭でのコミュニケーションを避ける方がスムーズになる可能性は高いです。

口頭でのコミュニケーション能力を高めなければ根本的な解決にならないと思われるかもしれませんが、おそらくそんなことは本人が一番理解しているはずです。理解していながらもどうにもならないからこそ、苦しんでいる人も必ずいます。

 

あえてドライな言い方をすると、一緒に働く相手の能力が向上するかどうかなんてどうでも良いはずです。限られたメンバーでどれだけの成果を挙げられるかが大事なはずなので、特定の人物が苦手とすることが「業務で絶対に必要な能力」ではないなら、それが生産性に影響を出さないように工夫するのも、リーダーや上司に求められる能力だと思います。

 

苦手とすることを無理矢理やらせ続け、何か問題が起こるたびに叱責するような上司やリーダーは、仕事をしていないのと同じだと僕は思います。(怒るだけで解決策を考えないで良いなら誰でも出来ますからね)

 

工夫5.相手(が苦手とすること)に理解を示す

工夫2.で「コミュニケーションには関係性が重要」と書きました。

では、その良い関係を構築するために最も重要なことは何かと言うと、「理解」や「共感」だと思います。

コミュニケーション能力が低い人は、そのせいで人から理解されたり、共感されたりする機会が少なくなっていると思います。そもそも自分の考えを人にうまく伝えられないから当然ですね。

そういう相手に

「口頭でうまく話すのって緊張するよね。チャットなら大丈夫そう?」

「説明するのは少し時間掛かってるけど、ちゃんと理解はしてくれてるね」

というように、「理解してるよ」「共感してるよ」と伝えるようにすれば、いい関係を作っていくきっかけになるはずです。

 

僕が塾講師の頃、

「先生は2年生の時かけ算で0点取ったよ」

「逆上がりも出来なかったし泳げなかったし、出来ないことだらけだったよ」

「人と話すのも苦手だったよ」

というふうに、ひたすら自分が苦手だったことのエピソードを話していました。

僕の場合は本当にそうだったので具体的なエピソード込みで生徒と盛り上がれたのですが、実際に同じ特徴を持っていなかったとしても、理解を示すだけで反応は大きく変わります。

 

どうしても「先生」「先輩」「上司」「リーダー」という肩書を持つと、相手は萎縮してしまいますが、「あなたと同じように苦手なこともあるし、あなたを理解するつもりのある仲間だよ」ということをコミュニケーションを通じて伝えることで、コミュニケーションの土台となる関係が構築され、小手先の工夫をしなくてもスムーズにコミュニケーションが取れるようになっていきます。

 

□終わりに

前回の記事は「コミュニケーション能力が低い部下に対してのアドバイス」、今回の記事は「その部下と上手く働くための上司へのアドバイス」として書いてみました。

僕がこれまでに出会ってきたタイプの「コミュニケーションが苦手な人」に対しては有効だと思いますが、もちろん上記の工夫で上手くいかないパターンの人も多いと思います。

ただ、最後の工夫5.だけは、全ての人に対して大事なことだと思っています。

色んな人がいますが、せっかくチームとして働くなら、出来るだけ良い関係を作って、楽しく働きたいですよね。(真面目に働かない人は排除したくなりますが)

 

スムーズなコミュニケーションはお互いの努力が不可欠だと思います。「相手の伝える能力が低いのが悪い」と相手を一方的に悪いと決めつけず、その相手とどうすればうまくコミュニケーションが取れるか、自分自身でも工夫を考えてみましょう。

 

また偉そうに長々と書きましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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