未経験プログラマーの雑記

元個別指導塾運営者、現プログラマーによるブログです。教育や自身の学びについて発信していきます。

【未経験、独学からプログラマーへ】転職エージェントはやめておくべき理由


本文:約4000字
およそ8分で読み終わる内容です
 
 プログラマーとして働いたことは無いけど、プログラマーになりたい!という人向けの記事です。この記事を読むことで、情報もなくがむしゃらに転職活動をするよりは、スムーズにプログラマーになることが出来るはずです。


 また、僕の体験をもとにしているため「プログラマー」に限定した書き方になっていますが、基本的にはどんな職種にも通じることだと思うので、就職活動、転職活動の参考にしていただければ幸いです。
 
はじめに
 最近のプログラミング学習ブームに乗り、「未経験でもプログラマーになれる!」という見出しをまんまと信じてしまい、実際に2019年の夏にプログラマーになれた僕ですが、4月から本格的に転職活動を開始し、約4か月間決まらなかったことからもわかるように、かなり転職活動は難航しました。

(平均3ヶ月ほどで決まるようで、離職期間が3ヶ月を超えていると企業によってはマイナスイメージを受けることもあるようです)
 
 僕が転職活動を長引かせてしまった原因はもちろん僕にあるのですが、僕の責任であることを自覚した上で、「未経験の場合、エージェントはダメだな」と思いましたので、その理由をまとめました。参考になれば幸いです。
 
 
1. エージェント企業が儲かる仕組み
エージェントも当然ですが営利目的なので、利益を出そうとしますよね。どこからお金をもらうかと言うと、転職希望者ではなく、転職先の会社からになります。


全てのエージェント企業が完全にこれに当てはまるかはわかりませんが、一般的なのは以下のような流れです。


Aさんという転職希望者が「はてなエージェント」というエージェントの紹介の元、「はてな株式会社」という会社に入社が決まるとします。その際、Aさんが入社するときの年収の3割を「人材紹介料」として、はてな株式会社がはてなエージェントに支払います。


この割合はもちろん会社や年収の額などによって変わることが考えられますが、おおよそこのような流れが一般的なようです。
 
ちなみに転職サイトは以下のようになります。
はてな株式会社が求人案内を「はてなナビ」という転職サイトに掲載するとします。その際、掲載期間などに応じて掲載料を支払います。


この求人を見たBさんが、はてなナビ経由ではてな株式会社に入社しました。その際、エージェントのようにはてな株式会社がはてなナビに対してお金を払う、ということはありません。
 
仮に、「はてなエージェント」の人材紹介料の割合を人材の年収の3割、「はてなナビ」の求人掲載料を月100万円とします。


はてな株式会社」はそこまで貴重な人材を求めているわけではないので、年収400万で社員を雇うつもりです。また、募集にあまり時間をかけたくないので、3か月に集中して求人を出すことにします。
 
はてなナビの場合、月100万×3=300万円で、求人にかかるコストは300万円ですね。(もちろんその期間で必要な人材が確保出来る保証は無いのですが)
 
次にはてなエージェントの場合、400万×0.3=120万円が一人採用するごとにかかるコストですね。
 
もし、はてな株式会社が採用人数2人で良いなら、はてなエージェントの方が必要な人材を少ないコストで確保出来る可能性が高いですが、もし3人以上なら、はてなナビの方が少ないコストで人材を確保出来るかもしれません。
 
ここまでであれば、「じゃあ企業の採用人数によってはエージェントの方が良いかもしれないじゃないか」と思われるかもしれませんが、もしあなたが会社の人事だったとしたらどう考えますか?
 
あなたは上司に「人材を2人確保しろ」と言われました。エージェントを使って人材を確保する場合、わざわざ未経験の人を選びますか?

(私の場合、「転勤不可」「残業嫌」「給料安いと家族養えなくて無理」「プログラミング完全独学」「プログラミングについて何の資格もない」というおまけつきでした)
 
しかも転職サイトと違って、エージェントは求人を転職希望者に紹介する段階ではコストがかかりません。期間の制限もありません。ということは、転職サイトのように「ほしい人材が確保出来なければ追加でコストがかかる」ということも無いんです。
 
そんな条件のもと、「未経験ですが頑張ります!」と言って採用試験に来る人を、あなたは積極的に採用しますか?
 
別の状況を考えてみましょう。
仮にはてな株式会社が「未経験を積極採用し、それをアピールしていこう!」と考えているとします。あなたははてな株式会社の人事です。偉い人から「未経験を積極採用しろ」と言われました。また、年収は300万に下げるとします。そのため、エージェントのコストは一人90万円になります。
 
しかし未経験となると、「本当にスキルが身に付き、一人前になるのか」、「『やっぱり合わなかった』と言って早々に退職する恐れはないか」などなど、経験者を採用するよりもリスクが大きくなります。


最悪の場合、1人や2人採用しても、全員辞めてしまって研修費用や採用費用を払っただけで、何も残らないという可能性があります。
 
結果どうするかと言えば、「ある程度は辞める前提で、多めに採用」となるはずです。
 
3年間続く人が2人いれば良いとして、その倍を確保するなら4人。結局、エージェントで募集するとなると90万×4=360万円となり、転職サイト(3か月300万)の方が安い、ということになります。

 

しかも雇う人数が増える分支払う給料も増やさないといけないので、余計に採用の際のコストだけでも減らしたくなりますよね。年収400万×2なら年間800万円ですが、年収300万×4なので1200万円が年間の人件費、さらに研修期間は売上に貢献せず、研修のためのコストも必要・・・。
 
上記2つの例で考えても、会社からして「エージェント経由で未経験を1人雇うコストが高すぎる」「エージェントを使って未経験を雇うメリットが少なすぎる」と誰でも判断出来ますよね。会社のコストが高く、メリットも少ないのであれば、その選択肢を会社は選ばないのが普通です。よって転職希望者側も、その選択肢を選ぶのは得策とは言えません。
 
「エージェントと転職サイトが儲ける仕組みの違い」が実務未経験からプログラマーに転職する際にエージェントをお勧めしない一番の理由です。
 
 
2.おすすめの転職サイト
ここまでエージェントをお勧めしない理由をご説明しましたが、逆を言えば未経験から挑戦するなら転職サイトを活用すべき、ということになります。僕の個人的なお勧めのサイトはIT限定ですがpaizaというサイトです。
 

ITエンジニア・プログラマ向けの転職・就活・学習サービス【paiza(パイザ)】
 
paizaで転職先が決まったわけではないのですが、paizaでスキルチェックをすることで自分の能力を可視化し、paiza以外のサイトで転職活動をする際にも、「paizaでBランクです」と言うと、熱心な人事の方であればpaizaを調べ、どのくらいのレベルか確認してくれるので、他にアピール出来る資格が無くても大丈夫です。


また、paizaのランクに合わせてお勧めの企業が紹介されたり、「面接しませんか?」と企業からプラチナスカウトが来ることもあるので、転職活動で落とされ続け、擦り減った自信を回復する手助けにもなります(笑)


 プログラミングを学習するコンテンツも非常に多く、最近も「コードクロニクル」というソーシャルゲームで遊びながらプログラミング学習が出来る新しいコンテンツを出していたので、プログラミングの学習をしながら転職を考えている方には本当にお勧めのサイトです。
 
3.個人的な経験談
最後に、僕自身がエージェントを活用してみて、残念だったことと、よかったことを書いて終わります。


残念だったこととしては、「この機会にプログラマーに挑戦してみたい」と何度も意思表示をしているにも関わらず、ことあるごとに「本当にプログラマー希望で転職活動を続けますか?」と何度も確認されたことです。
(今思えば、上記のようなエージェントの特性上、未経験をうまく会社に売り込めないことは分かりきっていたんでしょうね。転職活動時はとにかく焦っていたのでそこまで考え付きませんでしたが。)


何度も業種について意思確認され、書類選考で落とされ続け、やっと面接に進めたかと思うとそれも落とされ、「全く歯が立たない状況」を見せつけられ、貯金も底を尽きかけ、自分だけでなく家族にも負担をかけてしまうかもしれない…
そんな状況だったので、「もうプログラマーはあきらめようかな」という考えになり、転職サイトでもプログラマー以外に事務系の仕事など、とにかくエントリーするようになっていました。


結果として、自分で転職サイトから応募した会社のうち1社が拾ってくれたおかげで何とかプログラマーになれましたが、「未経験からでも採用された実績があります!任せてください!」とこちらに言っておきながら、長引くと「本当に続けて良いんですか?」と確認してくるエージェントに、僕は不信感を持ちました。
 
エージェントを活用してよかったことは、面接対策や志望理由書の添削などをしてくれたことです。大学生の時、キャンパスに就職活動のサポートをしてくれる部署?みたいなものがあったので、ほとんどの人は自己分析やら志望理由の添削をしてもらっていたようですが、僕は「自分のことくらい自分で分析出来るし、志望理由を自分で考えられないようなところはそもそも受けない」と、変に意固地になっていたので、面接の時に相手に良い印象を与えるための動作を教えてくれたり、僕の話し方の印象をフィードバックしてくれたりしたことは、素直にありがたいなと思いました。


また、同時期に妻が出産のため実家に帰っており、家に1人の状態で転職活動期間を過ごしたため、転職についての悩みを聞いてもらえる存在としてエージェントの方がいたことは良かったと思います。(友達少ないので…)
 
最後まで読んでいただきありがとうございました。
※この記事はあくまで「未経験の職種に挑戦することを考えている方々」の参考にと思い書いています。エージェントが良い、悪いといった趣旨のものではありません。
また、本記事に明確な誤りがありましたらご指摘下さい。すぐに訂正させていただきます。
 
何か質問などありましたら、お気軽にコメントください。